現在、新型コロナウイルス感染症予防対策のため、国立国会図書館を含む多くの図書館が利用困難な状況にあります。
利用停止については、図書館職員・利用者の安全のためには、止むを得ない措置であることと認識しています。
しかし同時に、学生・研究者をはじめとした利用者が、長期的に資料にアクセスできない問題が深刻化しています。
私たち出版者もまた、出版物の正確性を担保し出版活動を維持する上で、資料にアクセスできる状態を切実に求めており、早急に、そのような環境が整備される必要があると考えています。
特に4月15日の国立国会図書館の遠隔複写受付休止以降、資料へのアクセスの困難はより大きなものとなり、環境整備の必要性はますます高まっています。
ついては、この新型コロナ禍の現状における、期間を限定した緊急措置として、ICTを活用した国立国会図書館のデジタル化著作物利用の円滑化のための環境を整備すべきと考えます。
私ども日本出版者協議会は、国立国会図書館のデジタル化資料の公開に関して、著作権保護期間切れの資料であっても、復刻・翻刻著作物が販売されている物などについては除外を求め、反対してきた経緯があります。この立場は変りませんが、この緊急時にあっては、緊急措置としての国立国会図書館のデジタル化資料の公開について可能な限り協力したいと考えます。
また、今後は同様の事態においても、図書館資料へのアクセス環境が損なわれないよう、各図書館における対応策の検討・実施が進むよう望みます。
2020年4月27日
一般社団法人日本出版者協議会
会長 水野 久
東京都文京区本郷3-31-1 盛和ビル40B
TEL:03-6279-7103/FAX:03-6279-7104
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