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【声明】インボイス制度(適格請求書等保存方式)に反対する

更新日:2022年2月4日


出版の現場では著者をはじめ、ライター、編集者、校正者、デザイナー、カメラマン等々多くのフリーランスが関与し、多様な出版物が創りだされている。フリーランス等のうちには、年間売上が1,000万円以下の免税事業者である者も多い。


 インボイス制度では、消費税の納付にあたって控除できる「仕入額等」はインボイス=「適格請求書」のあるものに限られる。「適格請求書」を発行するためには、事業者が所轄税務署に「登録事業者」の登録を行わなければならず、この登録を行うためには、免税事業者は課税事業者への変更を余儀なくされる。


 出版社としては、これまで仕入額として控除できた分の消費税を新たに負担することは困難であり、著者や、製作に携わる上記のフリーランス等が免税事業者であっても適格請求書の発行をお願いせざるを得ない。税務署としては、これまで免除されていた消費税を、業者間で押し付け合いをさせた上で、確実に取り立てる制度と言える。


 こうしたことから、出版社と製作に携わる人々との関係を悪化させたり、免税事業者である人々が取引から排除されたりすることが起こりかねず、出版活動に支障をきたす懸念が大きい。


 発注先との問題だけでなく、仕入取引について、控除できる課税仕入か否かの判定作業や適格請求書の確認作業など、これまでの帳簿方式では不要だった事務負担が増加することも明らかである。


 2023年10月開始とされ、既に2021年10月から登録番号取得の受付が開始されたインボイス制だが、私たちは、出版社や出版物の製作に携わる人々だけでなく、多くの事業者への負担を増大させるとともに、免税業者をつぶし、簡易課税方式の縮小・廃止、そして消費税増税への地ならしともなるこの制度に反対し、実施の中止を求めるものである。


以上




2022年2月3日

一般社団法人 日本出版者協議会

会長 水野 久

東京都文京区本郷3-31-1 盛和ビル40B

TEL:03-6279-7103/FAX:03-6279-7104




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