重ねてインボイス制の中止・廃止を求める(ほんのひとこと)
- shuppankyo
- 2023年5月2日
- 読了時間: 3分
消費税インボイス制は、広く理解されたとはとても思えない状況の中、10月から実施とされている。
取次各社から版元には「適格請求書発行事業者登録番号連絡票」が送られてきている。「課税事業者」か「免税事業者」か、「適格請求書発行事業者登録番号」は何番か、未取得なら取得予定の有無および取得予定時期を知らせるようにというものだ。
消費税の年間納付税額は、税抜売上高にかかる消費税から税抜仕入高等にかかる消費税を引いた金額だが、インボイス方式では、控除できる「仕入額等」はインボイス=「適格請求書」のあるものに限られる。ところが適格請求書を発行できる「登録事業者」になれるのは課税事業者のみ。免税事業者は「適格請求書」を発行できない。ということで、免税事業者への支払いは消費税の計算では売上から控除できないため、その分の消費税は、支払った側が納付することになる。
つまり、「免税事業者」という制度があることで免除されて国庫に入らなかった分を取り立てようというのがインボイス制だ。
支払いを受ける側の免税事業者が「適格請求書」を発行できるように自主的に課税事業者になって収めてくれてもいいし、免税事業者のままでいるなら、支払う側の課税事業者がその分の消費税を収めてくれるのでもいい。そこには国は関与しないので、民間同士で決めてくださいね、というわけだ。税の納付をめぐって民間同士に綱引きをさせて疲弊させつつ、国は手を汚さず税収を上げようという"いやらしい"制度としか言いようがない。
課税事業者は消費税の負担を増やさないために、免税事業者を取り引きから排除したり、免税事業者への支払いから消費税分を引いたりする等の対応を取ることになるのは想像に難くない。「免税事業者」という制度は残るものの、免税事業者である小規模業者やフリーランスは実質的に消費税納税の負担を負うことになる。課税事業者になれば、会計実務の負担も増えるだろうから、事業の持続自体が困難になる場合も当然あるだろう。
私たちの出版物の制作過程には多くの人・業者が関与する。著者・ライターはじめ、社外の編集者・校正者・デザイナー・イラストレーター・カメラマンといったクリエイターが関わって、新たな出版物ができ上がる。免税事業者である場合も少なくない。インボイス制の実施は、そうした人々・小事業者を疲弊させるもの以外の何ものでもない。
免税事業者である小出版社にとっても、同じことが言える。本という商品の性格上、取次が免税事業者の出版社の本は扱わない、ということにはならないだろう。しかし取次店は、免税事業者である出版社への支払いについての対応方針を明らかにしていない。
課税事業者である出版社にとっては、著者や関係するクリエイターたちが課税事業者なのか免税事業者なのかを把握し、支払いについての協議をしなくてはならない。お互いに楽ではないことはわかっている中での支払いについての協議は、それだけでも大きな負担だし、制度が実施されれば「適格請求書」の仕分け・管理等、事務負担が増えることは間違いない。
それでなくとも厳しい状況の中にある出版業にとって、さらなる負担を強いる消費税インボイス制は、中止・廃止すべきだ。インボイス制の実施は、簡易課税方式の廃止や消費税増税にもつながるものであることを考えると、なおさらである。
反対の声の高まりを受け、政府は緩和措置を導入したが、これはあくまで時限的な軽減措置に過ぎない。出版に関わるフリーランス・小規模事業者のクリエイター、著作権者はもちろん、他の業界の人々とも連携して、この悪制の中止・廃止を求め続けていきたい。
出版協会長 水野 久(晩成書房)

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