あけび書房『沖縄「戦争マラリア」』(今月の一冊)




沖縄「戦争マラリア」

強制疎開死3600人の真相に迫る

大矢英代/著

定価 1,600円+税

四六判・並製・224頁

ISBN 978-4-87154-166-4 C3036

2020年2月10日発行

あけび書房


 先の第2次世界大戦の末期、日本で唯一の地上戦が起きた沖縄。しかし、戦闘のなかった八重山諸島で3600人もの住民が死んだ。なぜ、これほどの住民が死に至ったのか?

 映画『沖縄スパイ戦史』の共同監督が沖縄戦の最暗部に迫ったルポルタージュ。

 筆者の取材によって明らかになったのは、軍命による強制移住、住民のためではなく、軍のための強制移住、住民からは「マラリア有病地」と恐れられていた地への強制移住。それが引き起こしたマラリアによる膨大な病死だった。

 これが沖縄で「もうひとつの沖縄戦」と呼ばれてきた「戦争マラリア」だ。

 若き筆者は、ジャーナリストの道を目指していた大学生の時にこの「戦争マラリア」の史実を、訪れた八重山の住民の証言で知り、驚愕する。「知った者の責任」として、筆者はこの史実を多くの人に知らしめる責務を自らに課す。そして、現地住み、住民と生活を共にしながら、「戦争マラリア」の史実、住民の証言を掘り起こす。

 10年にわたる長期取材で迫った、75年前の住民犠牲の実態。そこには、住民の命など顧みない日本軍の姿、陸軍中野学校のおぞましさがあった。

 そして筆者は、そのおぞましさが地下水脈のごとく、今現在も私たちの足元へと続いていることも告発する。それは、沖縄を犠牲にして成り立つ日米軍事同盟の姿、沖縄の軍事要塞化、八重山諸島の軍事列島化である。筆者は、アメリカ取材も重ねて、今現在の日米軍事同盟のおぞましさも明らかにする。

 「戦争マラリア」の事実を多くの方に伝えるための大労作であると同時に、ジャーナリストとしての誠実さ、気概が伝わる一冊、そして、ジャーナリズムの社会的責務を考え合う一冊でもある。そして、「戦争マラリア」を引き起こしたおぞましさが、今日にも続いていることを告発する大力作。

 金平茂紀(ジャーナリスト)、望月衣塑子(東京新聞記者)、ジャン・ユンカーマン(映画監督)各氏が本書推薦。

 多くの誌紙、メディアで大反響。

 本書により、筆者は本年度山本美香記念国際ジャーナリスト賞奨励賞を受賞。

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